食文化の豆知識196 食文化の現状175(時間制の是非)
まだ、人があつまる中では、マスク姿が多く見られますが、街も徐々にコロナ以前の状態に戻りつつあるようです。場所によってはコロナ前よりにぎわっているところもあって、まずは歓迎すべきなのでしょう。なにより、外国人観光客が急激に増えました。そして彼らのマスク姿は一切見かけません。その自然な解放感は、むしろ日本人に今なお強く残るコロナ警戒感が異常に見えるほどです。でもこればかりは国民性というか、当然というか、それほどにコロナが我が国に衝撃をもたらしたということでしょう。するもしないも自由。これは良いことです。
街の飲食店もにぎわいが戻ってきました。繁華街の週末などは満席状態の店が多く見られるようになりました。ここでもスタッフはマスク着用ですが、客は食べるとき以外でもノーマスクで楽しんでいます。ただ、にぎわいが戻ると急に強気に?転換する店もあって、二時間制を強いられることがあるのには、少し違和感を覚えます。その実施方法がいかにも稚拙だと、余計に傲慢さを感じてしまう。心配しなくても、二時間あれば食事は終了するもので、利用者側がそれ以上の時間を必要とする場合は、特別な店を選ぶでしょう。なので二時間で出ていってもらいたいのであれば、高度なテクニックで、客に機嫌よく終了してもらう手はあるのです。コロナ後、ようやく知人があつまっての会食もあるでしょう。そこをドリンク最後のオーダーだとか、最後の注文だとかを、店側が決めてはいけません。食べ放題の店なら時間制も抵抗なく受け入れられます。当然のことでしょうが、飲食店の目的は、食事提供だけではないのです。満足して帰っていただくことが、第一義です。
先進国の中で、普通の店で二時間制を取っているレストランがあるのは、日本だけのように思えます。まだまだ、真の人間性が未熟なのかもしれません。おもてなし、などと、誇っても、客を機械のようにとらえる、効率一本やりの店も多くあるのです。客が店を選べばいいだけのことですが。
食生活アドバイザー 間島万梨子