食文化の豆知識 69 [食環境の現状 48]
東日本の被災地の皆様に謹んでお見舞い申し上げます。
被害の甚大さに声も失いますが、当地で復興に向けて歩んでおられる方々に深く敬意を
払わずにはおられません。今回の震災は決して他人事ではなく、海に囲まれた日本全国
どこでも起こりうる災害であることを、思い知りました。その意味で、被災地から離れ
た地にあっても痛みの共感が広がっているのは、当然のことなのでしょう。
今回の災害では原発異常もあって、食をめぐる市場は大きな変化を見せています。ここ
関西では著しい変化は見られませんが、スーパーからミネラルウォーターは姿を消しま
した。無ければ無いで結構。本当に必要とされる地域に最優先で充足されるべきで、我々
は水道水で充分です。皮肉なことに、いろいろな面で否応なく節約・節電がこの関西で
も進んでいます。僻地ともいうべき我が町でも、恒例のつつじ祭りの中止が決定しまし
た。たかが地元の商工会がこじんまりと開く慎ましい会でも、“祭り”の一字が、人を怯
えさすようです。“このような時に祭りなどしている場合か、不謹慎な”と、後ろ指を指
されるのを恐れての判断なのでしょう。自粛ムードに関しては、諸説異論がありますが、
心は充分に被災地と寄り添いながらも、行動は大人の合理性を保ってもいいのではない
かと思うのです。また都知事の“上野での夜桜見物などもってのほか”という発言をめ
ぐっても意見がかまびすしい。前述と相反するようですが、このご高説に関しては、知
事に賛成です
。毎年映像を通して見る、かの夜桜見物騒ぎには、騒々しいを通りこして、
醜悪さを感じてしまうからです。そういう場面を選んでおもしろおかしく報道するテレ
ビもテレビですが、せめて今年だけは大人しく桜を愛でてください。
この欄でも、電力会社のワルクチを度々言っていましたが、まさかこのような形で非難
囂々の嵐にさらされるとは思ってもいませんでした。市場独占メガ企業が持つ官僚体質
が露呈されました。現場で頑張る技術者のみなさんが,めげることなく任務を遂行され
ることを願うばかりです。そして福島の美味しいお米と新鮮な野菜を、たっぷりと味わ
える日が一日も早く訪れますように。それと豊富な魚介類も・・・・是非。
23年4月2日 P&Cネットワーク 間島万梨子 食生活アドバイザー