【第46回】 [ 食環境の現状(25) ]

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世間をにぎわしている漢検問題、正確には(財団法人)日本漢字能力検定協会の前理事長以下
関係者の背任横領が問われている事件です。同協会は1975年に前理
事長らによって発足し初回
は全国でたった700人程度の受検者であったといい
ます。それが今では年間280万人もの人が
受検する超人気検定にまで成長しまし
た。1992年に公益法人となったことも、人気に火を付けた
ものと思われます。
ここに至る道のりは並大抵のものではなかったでしょう。我が国には様々な
協会が
ありますが、ここまで成長するには、漢字ブームの後押しがあったとしても、身を粉にして
協会の発展に心血を注いだ人の努力が実を結んだことは確かです。
 

でも予想もしなかった巨額の利益を前にして、初心は葬り去られ私物化の一途をたどることに
なります。公益法人が税制でも優遇されているのは、利益がでれば社会
のために役立てるという
役目を担っているからです。自分で好きなように億単位の
お金を使いたかったのなら、一個人会社
のままでいればよかったのです。公益法人
というお墨付きをもらいながら、好き勝手に私物化する
ことは、許されません。

ただ、この漢検は良くできた検定だと思います。ごまかしがない。漢字能力を試すだけのもの
だからです。ビジネス上の有利性を保証しているわけでもないようです。個々人の漢字好きが
後押ししたのです。メデイアもさかんにもてはやしました。

 

一方、巷間には、○○検定があふれています。もともと検定なるものは自由に創り上げることが
出来るのです。一会社が協会と名乗ることも出来ます。色々な知識の
習得にチャレンジしたい
人達向けに、まさに検定のオンパレード時代になってきま
した。それはそれで結構なことだと
思います。人間生涯勉強。どんな検定でも、相
応の勉強は必要です。頭の体操にもなります。
自分の仕事に関連したものなら、チ
ャレンジしたいと思うのは当然かもしれません。

 

しかし、数ある検定の中には、うさんくさいものもあります。資格ビジネスと呼ば
れる類です。
検定に合格すれば、このような仕事に就くことが出来ますよ、という
誘い文句。食関連でも、
食への関心増大という時流に乗って、色々な検定が出てき
ました。ただ、国の認める資格では
ない限り、あくまで個人的知識の習得の範囲で
あるべきで、多くはその範囲内で受検者を
つのっていますが、中には首をかしげる
ような検定も存在します。その見分け方は?
「検定に合格すれば、こんな仕事が出
来ます」は、疑ってかかった方が良さそうです。また、
法外な費用を請求するとこ
ろも要注意。講義さえ受ければ資格進呈というのも講義料がとても
高い場合があり
ます。要は、検定はあくまで自分の生活知識向上のため、もしくは自分の仕事に
ラスアルファになると判断してチャレンジするものだと思います。

 

平成21年5月15日 P&Cネットワーク 間島万梨子  食生活アドバイザー 

 

 

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