【第43回】 [ 食環境の現状(22) ]

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 いよいよ、コメの減反政策の見直し改革案に、政府が取り組みはじめました。減反政策は、
いわゆる生産調整と同義語ですが、政府ならびに行政の農政への無策ぶり
を顕著に露呈した
ものといえば言い過ぎでしょうか。要するに、コメ消費が低迷し
だしたので、価格安定のためにも
生産量も減らしなさい。ついてはコメ農家がコメ
の生産を減らしたり他作物に転換すれば、
補助金を出して所得補填をしましょう、
という政策。

 

何と頭の要らない、つまらない政策でしょう。コメの需要拡大への知恵も策もなく、真に意欲ある
農家を押さえつけ、お金でかたづけようとする。そこには農業に従事
する人の票田をあてにしよう
との目論見もかいま見えます。票田のためには、兼業
農家でも零細農家でも数が多いままの方
が有利なのですから。

 

そして、減反政策がはじまってからの約40年で、7兆円もの税金がつぎこまれてきたのです。
結果として、生産効率の低いままに農地が分断され、みじめなほどの
食糧自給率の低下と、
荒れた休耕田の増加を招いてしまいました。今、求められる
のはコメの増産を需要拡大に結び
つける知恵の結集と、意欲的な農家の育成でしょ
う。農家のコメ作りへの自由な活動を促し、
農業を活性化していくためには、減反
政策の見直しは急を要します。

 

農地を集約して生産効率を高めるには耕作規模拡大が必要です。企業の農業参画を勧める

には農地借用の自由化も急がれます。持ち主が手放さないままに休耕田化している農地の有効

利用なくして、日本の農業の展望は開けません。限りある国土なのですから。

 

とにもかくにも、農業改革の扉は開かれました。意欲と能力のある農家への一層のフォローが政府
と行政の重要な役割です。世界の人口は増加しており、食糧不足は
避けられようもありません。
農政改革の必要性と具体的政策は明確です。あとはい
かに実行するかです。
現実に、飼料米づくりに邁進しはじめた農家もあるようです。

意欲ある農家や企業が、政府や行政の一歩前をすでに進んでいるのかもしれません。

 

平成21年2月11日 P&Cネットワーク 間島万梨子  食生活アドバイザー 

 

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