食文化の豆知識 56 [食環境の現状 35]
前回に続き、野菜についてです。野菜の摂取量は個人差があり、私は野菜超大好き人間
で、時として食べ過ぎてしまいます。結果として、他タンパク源や脂肪の摂取量が少な
すぎる場合があり、何事も過ぎたるは及ばざるが如しです。でも、一般的には日本人の
野菜摂取量はこの十年、低下傾向にあります。1989年で年間摂取量は110.8kg
でしたが、2007年のデータでは、一人当たり野菜摂取量は年間93.9kgです。厚生労働省
が勧めている摂取量は一日350gですから、年間にして約128kg。現状はかなり不足して
いるのです。特に若い世代で摂取量が低くなっているとか。
野菜を食べなくても、すぐには影響は出ないでしょう。だからこそ、日頃からの心がけ
が必要なのです。旅行をすると、てきめんに野菜不足になります。旅館の会席料理にし
ても、豪華な魚料理はあっても、野菜料理が少ないのが辛い。確かに、野菜は保存や調
理に手間がかかります。また高級な印象は与えません。野菜料理が殆ど無い場合もあり
ました。1日くらいなら我慢出来ますが、3日、4日となると、私は体調不良を起こします。
野菜渇望症になります。また、外食も日常化すると、栄養のバランスが崩れてしまう。
人間の体は、頑丈そうに見えても、もろいものです。
野菜の持つビタミンやミネラルなどは微量成分ですが、人間の体にとってなくてはなら
ない役割を果たしています。野菜を無理なく摂取するには、生野菜よりも温野菜。一個
のレタスでも、炒めたり煮たりすると、驚くほど小量化します。キャベツもしかり。
スープ式に煮込むと4分の1くらいの量はぺろりと食べられます。冬は鍋料理もいいで
すね。ネギ類、特に白い根深ネギの習慣摂取は、風邪の予防になります。毎日の食の積
み重ねが、私たちの体を守っています。野菜も、肉や魚と同等にすぐれた食材ですので、
摂取しやすい方法で、毎日十分な量をいただきたいものです。
平成22年3月4日 P&Cネットワーク 間島万梨子 食生活アドバイザー