食文化の豆知識225 食文化の現状204(日本の第一次産業の異常性 )

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食文化の豆知識225 食文化の現状204(日本の第一次産業の異常性)

 人間には慣れる習性があるようです。今の物価高も最初のころは、え?なんで?どうして?という疑問符が頭の中を駆け巡りましたが、最近は、そうですか、そうなんですね、という、良く言えば認知度の浸透、悪く言えば諦めの境地になったということでしょうか。この物価高が一過性のものなのか、永続的なのか、経済素人には判断がつきかねますが、少なくとも、簡単に物価が下がるものでもなさそうです。今の物価高は、長年の無策無為の結果でもあるからです。 

米しかり、魚しかり、果物野菜しかり、それぞれ市場に並ぶ前の生産過程は異なりますが、安定価格を維持できていない、ということは農林水産省をかしらとする政策の失敗だと思います。国民に安全かつ安定的に食料を提供する役割を到底、果たし得ていないからです。安ければ外国から調達した方が楽、という、全く、国益を無視した政策を長年続けて来たツケが回ってきたのでしょう。商社の言いなり? と、勘繰りたくもなります。そして、日本の林業は、漁業は、農業は、力を削がれてきました。その中で、農業だけは、志のある人たちにより、世界に誇る品種改良がおこなわれ、日本の果物などの価値を高めています。それでも光熱費や人件費の高騰を受けて、庶民には手の届かない価格が日常化しています。 

漁業は目を覆うしかありません。国産の魚もありますし、養殖ものが増えている?感も若干ありますが、日本の漁業自給率は50%を少し越した程度です。海に囲まれている島国なのに?外国から日本への安定供給が今後も続くと考えるのは、あまりに能天気というものです。日本などの先進国では人口減が大きな課題ですが、その他の圧倒的に多い後進国では、すさまじい人口増加による食料争奪戦がすでに始まっています。人の命を守る食料は、自国でまかなう、そんな当たり前の政策を成功させ得る国だけが、生き残っていく。そんな気がします。であるなら、取り返しがつかなくなるまえに、早急に手を打つ必要があります。まず、第一次産業の現場に、惜しみなく優秀な人材を投入するのです。漁業には水産業の知的プロが、林業には作戦の指揮者が、そして農業は集約化への道を戦略化できるインテリジェンスが必要です。 

魚売り場の惨状を見て、果たして望むべき未来の売り場が実現するのか、という絶望感がありますが、いま、手を打たなければ、日本の未来も朽ちるでしょう。これが、正夢ではなく、ただの妄想に過ぎないことを祈ります。 

食生活アドバイザー  間島万梨子 

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