食文化の豆知識194 食文化の現状173 (シンプル イズ ベスト)

col_g_pic.gif

食文化の豆知識194 食文化の現状173(シンプル イズ ベスト)

日本は、例えば国民皆保険や医療制度、年金制度、加えてインフラなど、完ぺきではないものの、世界的に見てもまずまずのシステムを構築した国だと思います。これは国民気質という土台が、長年にわたって国造りを支えてきた証でしょう。いささか、何事も複雑化してしまうという弱点もありますので、よりシンプルで合理的な要素が加われば、世界のモデル国たり得るはずですが、そのスピードは極めて遅い。様々な手続きで各役所にはお世話になりましたが、何という無駄な流れ、何という煩雑な手続きと、うんざりすることが多かったことが思い出されます。ただ徐々にではありますが、簡素化へと向かっているようです。マイナンバーカードにしても、数年は身分証明カードとしてのみの機能を与え、(それでも、便利で有り難い存在です)、特典も付与し、8割以上に浸透して後に、様々な機能を付加すればよいのです。あせりすぎた結果が、トラブルを誘発したのかもしれません。

で、全く身近な例なのですが、野菜はいつからプラスティック袋に入れられて販売されだしたのでしょうか。大体が袋に何個か入った状態で並んでいます。それ以外は、一個幾ら、という販売方法です。農協指導によるものでしょうか。規格サイズを満たした野菜や果物だけが、売られている。一見、便利なようですが、ちっとも便利ではありません。まずゴミが出る。様々な大きさをチョイスできない。そして何より、一個幾ら、なら大きいものを選ぼうとする心理が働いてしまうものです。結果として無駄な動きをしている人を多く見かけます。なぜ、重さ売りをしないのでしょうか。そうすれば、小さいものは安く、大きいものは高くなります。何と公平ですっきりとした売り方でしょうか。外国ではほとんどが、重さ売りです。レジもそれほど仕事が増えるわけでもありません。あらかじめ重さ価格をインプットしておけば、自動的に価格を知らせてくれる。ハワイの大手スーパーもその売り方で、とてもスムーズでした。何より、自己責任に基づく買い物ができて、文句の言いようがありません。そう、シンプル イズ ベストは、古今東西、変わらぬ価値感です。何事も複雑化しようという動きは、様々な既得権益を呼び、消費者、ひいては国民の能力を抑え込んでしまうのでは、と感じるのは、考えすぎでしょうか? 

食生活アドバイザー 間島万梨子

カテゴリー: 食文化の豆知識 パーマリンク