顧客満足の複雑さ 97「IR整備推進法」飲食担当 間島
明けましておめでとうございます。今年も世界は、政変も含めて事故・事件が発生し、日本だけが何事も無く平穏というわけにもいかないと思いますが、何とか国民の知恵と国家の的確なかじ取りで、大過ない一年でありますように。
統合型リゾート施設(IR)整備推進法が昨年12月に成立した。この法案の鍵は何といっても、施設の中にカジノが含まれていることだろう。ゆえに、カジノ 法案と揶揄する論評もあるが、この法案はあくまで、巨大リゾート誘致を目指すために必要とされる厳しい規制を盛り込んだ整備法案であると思う。大阪湾の人工島・夢洲にIR誘致を目指す大阪府としては、まずは最初の関門をクリアしたというところだろうか。
巨額を投じながら、地元への貢献度が低かった夢洲エリアが活性化するなら言うことはない。カジノやホテル、商業施設、そして多分、エンターテイメント施設の巨大複合施設となると、国内はもとより海外から人は集まるとの期待は大きい。ただ、この法案は日本では賛否両論で、もの騒ぎなものと思われがちだが、カジノを含む巨大施設を持つ国は世界で多くある。だから、まずは自国民が楽しめる施設造りを目指してほしい。一番期待するのは、世界屈指のエンターテイメント集団がこぞってそこで公演をしたいと思わせる、豪華施設の誕生だ。ラスベガスに行かずとも、夢洲で上等なショーが見られるのは、まさに夢のようなことだ。魅力的なレストランの誕生も楽しみではある。
予想通りにカジノ施設が出来ても全く利用する気は無いから、どのようなものであっても興味は無い。然し、問題になっているギャンブル依存に関しては、現実にパチンコ依存症の人はすでに多く存在するので、IR法案の成立を機会に対策がしっかりと組み込まれるなら良いことだと思う。今まで助けられなかった人を助けることができるかもしれない。つまり、カジノでギャンブル依存症が増えるというより、治療される人が増える可能性の方が高い。また、カジノには非常に厳しい規制と合法化という環境が設定され、多分、死角のないほどに監視カメラが設置されるだろう。金融の流れも細部にわたって把握される。となると、健全かつ大人の優美な遊び場所としての安全な娯楽施設になるかもしれない。もしも問題が発生したなら状況に応じて修正していけばいい。
2017年1月4日