食文化の豆知識 123 食文化の現状102(ずっと未来のTPP)
TPP(環太平洋戦略的経済連携協定)が大筋合意したとか。各国の思惑や国益の相違を
何とか治めて合意に至ったようで、まずは良かったのではないでしょうか。
貿易に関しては一人勝ちはなかなかに難しく、ましてそれなりの国力を持った国々を
納得させる内容に到達するのは、並大抵のことではないと思います。早速、新聞紙上
では、国内の関連産業をいかに守るか、どういうリスクがあるのかと、かまびすしい
論調であふれています。でも、交渉分野それぞれの合意内容の現実化はほぼ数年後で、
長いものは10数年!をかけて達成するというもので、毎日あくせくと暮らしている
身にとっては、そんな先のことはどうでもいいわ、ってな無責任な気になってしまい
ます。また、解説内容のほとんどは国内関連産業の危機をあおるもので、何と、悲観的
な論調かと、こちらまで暗い気分になってしまいます。どうして、これをチャンスに
転換する前向きなとらえ方が出来ないのでしょうか。とにかく体制への反対や批判が
新聞の役目?だからでしょうか。
というのも、海外旅行でいつも感じるのは、日本の食の豊かさと上質さだからです。
勿論、数少ない海外旅行での経験のみですが、それでも日本の農産物の質の高さは
もっと自信を持ってもいいと思うのです。売り込むチャンスです。
果物も野菜も、畜産物も、コメも、かなりいい線をいっています。外国で食べたブドウ
のまずさ、トマトの味気無さ、レタスのごわごわした固さ、いちごのまずさ等々、
枚挙にいとまがありません。果物では、唯一南国のそれは日本では味わえない芳醇さに
満ちていますが、それ以外はほぼ日本の圧勝です。
根拠のない自信?にあふれた諸外国の人々を見るにつけ、我が国の謙虚さがいとおしく
なりますが、やはりもう少し、自信を持ってもいい。日本の力はたいしたものです。
傲慢さはいただけませんが、ごく普通の前向きさと自信と覚悟を持っていたいものです。TPPもチャンスととらえ、慎重さを踏まえつつ良い方向へ進んでいって欲しいと思って
います。
11月9日 間島万梨子 食生活アドバイザー