【第48回】 [ 食環境の現状(27) ]

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食文化の豆知識  48 [食環境の現状 27]

大規模オンライン旅行会社エクスペディアが実施した“ベストツーリストランキング

2009(もっとも好ましい観光客)“で、日本人がトップになりました。2007年、

2008年と3度連続の第一位です。調査は、世界各国のホテル経営者や従業員、約

4500名を対象に、世界27カ国の旅行者について、礼儀正しさやチップの額など

9項目のカテゴリーでの評価をあおいだものです。

 

日本人旅行者は、礼儀正しさ、清潔さ、苦情や不満の少なさ、などで総合トップ。2位

は英国人、3位はカナダ人と続き、4位ドイツ人、5位がスイス人でした。なるほど

なるほど。下位グループは24位にトルコとギリシャ人、26位はスペイン人、そして

フランス人が、外国語への順応性の欠如、傲慢さ、チップの少なさ(ケチ)などの評価

で、堂々の最下位となりました。え?、という結果だと思いませんか。確かに、フラン

ス人は態度が大きいだろうな、地元の料理を馬鹿にするだろうな、と納得できますが・・。

 

調べてみて、得心がいきました。28カ国を対象にした2007年の調査でもフランス

人が最下位でしたが、27位にインド人、26位に中国人、25位はロシア人というラ

インナップです。翌年の2008年では、最下位は中国人。インド人、フランス人、ロ

シア人がそれに続いています。評価では、無礼で、部屋を汚し、行儀が悪いのだとか。

でも2009年では、フランス以外の下位国は、調査対象からはずされているのです。

で、フランス人が見事、最下位に返り咲き。バンザイバンザイ。

ちなみに、アメリカ人は、チップの額が最も多いのだとか。おおざっぱな国民気質が見

て取れます。個人的には、フランス人より好きかも・・・です。

 

ホテルも商売ですから、あまり難しいお国は刺激したくない、のが本音でしょうか。そ

の辺のことは、よく分かりませんが、フランス人は悪評に耐えうる、したたかさを持っ

ているということなのでしょう。とにもかくにも、日本人が3年連続でトップに選ばれ

たのは、素直にうれしいことです。

この調査結果は、私の見る限り、産経新聞には小さく掲載されていましたが、大新聞?

には出てなかったようです。もっと、喜んでいいことだと思うのですが、日本人が世界

で好感されるのを、あまりうれしく感じない向きもあるようです。朝日新聞は、200

8年の結果を受けて、天声人語に「・・・略・・・ホテルの評判がいいとは、要するに

扱いやすいということらしい。・・・略・・・苦情や不満はしまい込まず、サービスのプ

ロ集団にひと仕事させるくらいがいい。わがままな上客というのもある」と書きました。

本当に、この新聞は何を主張し、何を思想の軸にしているのか、私の乏しい頭ではよく

分かりません。絶対平和と無抵抗を錦の旗に掲げる一方で、わがままになれと? 要す

るに、日本が気にくわないのかな、と。これはあくまで狭量な私の感想です。

今回の内容は、“食”とは直接、関係ないのですが、エクスペディアの調査結果を、さり

げなく、ちょっとはにかんで、日本人として喜んでみたいと思いました。

 

平成21年7月12日 P&Cネットワーク 間島万梨子  食生活アドバイザー 

 

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