度重なる食の安全を脅かす事件の発生で、流通する食材の安全性に留意する人が増えてきました。最近、スーパーマーケットなどで、パックされた食品の裏側をじっと見ている人が多くなりました。若い男女が、お互いの顔を近づけて、熱心に原産国や原材料などの表示をチェックしている光景は、ほほえましさを感じます。そうなのです。食生活は、若い頃からの蓄積が大切。そして何より、消費者の厳しい眼力こそが、食品業界にとって手強い反面、志ある生産者にとっては有りがたい味方にもなり得るのです。消費者が安全でおいしい食品にこだわることが、見栄えや保存、量の水増しのためにたっぷり添加物を投与された食品の撤退を促すことにつながるのです。
お刺身に付いているビニールの小袋に入ったわさびにしても、質は様々です。
異なる店で刺身を買って、それぞれのわさびを比べてみました。一つは、原材料として[西洋わさび、本わさび、酸味料、香辛料、香料、着色料(クチナシ)]が記載されています。もう一つは[西洋わさび、からし、水飴、なたねサラダ油、食塩、酸味料、VC、香料、着色料(黄色4号、青色1号)]となっています。前者の食品会社の方に、エールを送りたいと思いませんか。黄色4号は、合成着色料の中でもアレルギー性が高いと言われています。また青色1号は、発ガン性の疑いが出て、ヨーロッパでは禁止されている国もあります。
多くの着色料が日本でも禁止されてきましたが、依然として10種類以上のタール系合成着色料が認可されているのです。いつ何時、[この着色料は人体に危険であることが判明したので、食品に使用することは禁止する]と厚労省の発表があるかもしれません。たっぷりと摂取してしまった後で。
美しく見せる為に、安全性が担保されていない合成タール系着色料を平然と使用する食品メーカー。合成着色料はとても安価なのです。
美しい和菓子。タール系合成着色料が使用されているものが多くあります。
とてもカラフルで鮮やかな色彩は、赤色3号や青色1号などのタール系合成着色料が頑張って作り出した自然には無い幻の色合い。それら派手な和菓子の横にある地味な色合いの和菓子。小豆と砂糖、国産小麦が原材料でした。迷わず手にとって、お土産の1品としました。
平成20年4月16日 記 P&Cネットワーク 間島万梨子