食文化の豆知識172 食文化の現状151(発想の転換こそが大切)

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食文化の豆知識172 食文化の現状151(発想の転換こそが大切) 

関西電力が海老の養殖に乗り出しました。同社の水質改善技術を海老の養殖生産に役立たせようというもので、静岡にバナメイエビの養殖工場を作り、令和4年1月からの市場への出荷を目指すとか。これは水産分野における久々の朗報だと思います。何だか愉快で楽しい。バナメイエビは車エビに匹敵する旨みを持つとされ、現在はほとんどが輸入に頼っています。すでに「幸エビ」のブランド名も決まっているとか。出荷時にはさぞかし話題を集めることでしょう。四方を海に囲まれている島国日本。でも年々、漁獲量は減少し、スーパーの棚を多くの輸入物、それも養殖ものが飾っているのが現状です。これを機会に、優秀な技術を駆使し、国産養殖魚を食卓に届けてほしいものです。 

関西電力の例を見るように、これからは益々、他事業への参画が加速されていくものと思われます。加速されなければ日本の将来の発展は危うい。すでにフイルム会社の医療機器や化粧品への参入など、持っている技術を生かしての異なった分野への挑戦は見られますが、大体が想像範囲内のことでした。これからは柔軟な発想で、自社の技術を生かした全くの異業種へのチャレンジが続々と出てくれば、日本の経済の支えになることでしょう。 

野菜の生産も他企業参入のチャンスが大いにある分野です。生育が天候に左右されるという常識を打ち破るしか、将来の安定供給はあり得ません。野菜工場の登場です。初期投資をどのくらいで回収できるのか、が大きな問題点でしょうが、利益がでるシステム構築は可能です。天候を気にせずに安定供給できるとなれば、出資を募る方法もあるし、直接売買契約の方法もあります。日本では生育しにくい野菜・果物の供給が成功すれば高値販売への道も開けます。すでに葉物の一部を野菜工場で生育していますが、市場からすればごくわずかです。農薬を使用しない野菜の大量安定生産をビルインで可能にする。初夢にはまだ早いですが、愉快な夢は膨らみます。 

    食生活アドバイザー 間島万梨子

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