顧客満足の複雑さ121「日本を守り抜く覚悟」
昨年は、様々な災害が日本を襲い、わが身に照らしても台風21号の洗礼を受けたが、清水寺恒例の一年を表わす一字に「災」を使われると、いささか、げんなり感が否めない。何故なら、日本の地政学的宿命とでもいおうか、何も無かった年をあげるのも難しく、被害規模の差はあれど、なにがしかの自然災害はどこかで必ず起こり得る。なので、ここは「克」とか「翔」、また「守」とかにしてほしかったと心から思う。
自然災害だけではなく、一年間という時間は、政治・経済・外交でも変化と達成と混乱などが入り混じり、どういう年であったと一口で表わしにくい長さを持っている。だから日本が日本のままであり続けている限り、その年はまあ、よしとせねばなるまい。それほど、世界では自国が自国で無くなったことで、悲惨な目に会っている人達が多いのが現実で、その結果が大量移民へとつながっていく。その意味では、成立に反対の多かった出入国管理法改正案は、確かに移民対策では無い。が、しかし、自国に人種の異なる人間が観光以外に多く入ってくる状態が簡単に出来上がるという構図は、社会に良く似た結果をもたらす。成立してしまったので、しばらくは様子を見るしかないのだが、歓迎できない法案だった。
一方、立法関連ではないが、朗報も結構あった。大阪万博開催決定もそうだし、環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)の発効も、快挙だと思う。万博開催は長きに渡って大阪府のお荷物だった広大な夢洲が生き返るチャンスで、IR誘致が決定すれば、万博以後も生き長らえることが出来るだろう。TPPは、米国が離脱した後をよくまとめたものだと思う。関税引き下げは、輸入面では幅広い食品の値下げで、消費者が恩恵を受けることが期待されるし、輸出面では企業にとって追い風になりそうだ。色々な問題はその都度、解決していくことになるだろう。
外交は益々、混乱していきそうだ。激動とまではいかないにしても、世界の潮流の変化は避けられそうもない。その中で、日本が盤石であり続けるためには、好き嫌い・支持不支持が当然あるものの、長期政権がもたらす安定感は確かにある。この一年、しっかりと日本を守り抜く覚悟が、一人一人に必要になると思う。国家といっても、基盤は一人一人なのだから、それさえ崩れなければ日本は大丈夫だと信じたい。企業も個人事業も、背骨の補強がますます求められる年になりそうだ。年末には、心地よい一字を聞けることを祈りたい。 2019年1月4日 間島