
食文化の豆知識223 食文化の現状202(やはり日本はお正月)
すでにスーパーマーケットの売り場には、お正月用品が増えてきました。日持ちの良い食品や、祝箸やしめ飾りなどが中心ですが、まだ中旬だというのに、お正月モード満載です。かつては25日まではクリスマス商戦が主で、その後一気に、売り場の雰囲気が変わったものですが、今年はクリスマスムードが感じられません。自分があまりクリスマスに興味がないせいかな、とも思うのですが、明らかにすでにお正月モードなのです。なるほど感はあります。限られた予算の中、クリスマスかお正月か、となると、やはりお正月予算に重きを置きたい、という消費者心理でしょうか。それを店側は読んでいる?断定はできませんが、売れるものの先行作戦を取っているような気もします。
当然と言えば当然なのかもしれません。昔から日本人にとって、お正月は特別なものでした。新しい年を迎えることは、神事にもつながる神聖な儀式でもあったのです。大掃除も寒風吹くなか、年末に家族総出でがんばっていた記憶があります。今は時代や環境が異なるので、とてもではないけれど、年末に大掃除なんてごめんこうむりたい?ちょいちょいと窓を拭くふりでなどでごまかして、はい、オワリです。上等上等。
まだまだ買う気も無いのに、売り場を除くと、そこには小芋やれんこんなど、お煮しめの材料が目につきました。自宅で作られるご家庭も多いのでしょう。すでに数の子や田作りなども並んでいました。高価な冷凍カニも鎮座ましています。早い!そして高い!葉物などはまだ安いうちに買って、ゆでて冷凍すべき?と思案していますが、どうなることか。お正月が近づくと、子供時代を思い出します。お米屋さんが持ってきてくれた木箱に入った大量のおもち、風景が一新された床の間の飾りつけ、そして新しいセーターと母の新年あいさつ用の着物のチェック。すべてが懐かしい。今はパック入りのおもちに、いつもと変わらないセーター、床の間もありません。でも形は変わっても、お正月を迎える気の引き締まる思いは、今も普遍的に、日本人のDNAに引き継がれていくのでしょう。
食生活アドバイザー 間島万梨子