顧客満足の複雑さ 202( プロの真価 )

         顧客満足の複雑さ 202「プロの真価」

大阪万国博覧会も残すところ2週間弱となり、閉幕までのすべての日が予約で満杯状態らしい。開幕直後に、ひとまず一回でも行っておいてよかった、感はある。人気パビリオンを見ることはかなわなかったが、それでも万博のお祭り感は味わえた。開幕前のメディアの悪口雑言がまるで嘘であったかのような、連日の紹介報道の転身ぶりは視ていて、いささか白けるものの、彼らも一般庶民の動静には勝てない、ということだろう。今、万博の悪口をなおも言い募るのには、余程の信念がいる。ま、いろいろなアクシデントはあったが、あとわずか、無事に終えてほしい。

さて昨今、様々な競技が人気を博している。野球、ゴルフ、大相撲は言うに及ばず、陸上やスケート、卓球なども、知識豊かな渋い?ファンに支えられて、文化国家ならではの盛況ぶりだ。それらで活躍するのは、練習に練習を重ねたうえでの選ばれし人々なのだと、改めて感心する。野球などは男子なら小学校のときから実際に競技としていそしんできた人も多いが、プロになれるのはごく一部しかいない。勿論、あえてスポーツとして楽しむことだけを選んだ人がほとんどだろうが、プロの野球選手の能力は卓越している、と聞いたことがある。生まれつきか、精進の結果かは難しいところだが、プロアマの差は大きい。ゴルフ、大相撲にしても、恵まれた体もあるものの、プロとして通用するにはやはり並みの練習量ではないはずだ。体、センス、そしてやはり根性だろうか。根性には「飽きない」という要素が大きく占める。来る日も来る日も繰り返し繰り返し、練習を重ねることができる、ということだ。

一方で、プロアマの差が無くなっているのでは、と思えるジャンルもある。歌の世界では、今や、プロの作曲家、プロの作詞家の存在が伝わってこない。優れた音響機械の存在やAI機能の利用で、曲を作れる時代だ。その曲が人の心を打つかどうかは別にしても、実際にそういう曲が多くを占めている。以前は、その曲を聴いて背景のストーリーを想像することが出来たが、今は、観念の世界が多く、感情そのものの言葉の羅列なので、頭の中に風景が浮かび上がってこない。国民的ヒット曲が出ない、と言われる所以だろう。だれもが口ずさみ、心に残したいと願う曲はもう出て来ないかもしれない。昭和の名曲が今も、愛される理由がよく分かる。

人間の能力自体が上がっているから、ますます、プロアマの差は狭くなるだろう、という意見もある。時代が違うのだ。メディア界にしても、テレビをしのぐSNSも見かけるようになった。しかもリアルタイムに提供される。が、しかし、先に述べたスポーツ界でのプロフェッショナルな活躍を見るにつけ、そこに歴然とプロとアマの差を感じ取れるのは、とてもうれしい。           2025年10月1日  間島

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