食文化の豆知識183 食文化の現状162(国産もののフル利用)

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食文化の豆知識183 食文化の現状161(国産もののフル利用) 

一年で最も寒さ厳しい頃でしょうか。今年は殊に寒いように感じます。北国では雪下ろしのご苦労が案じられます。アメリカでも連日の猛吹雪とか。やはり地球はすごい。良きにしろ悪しきにしろ、人間の手など及ばないエネルギーに満ちています。と、ここでトンガの海底火山爆発のニュースが飛び込んできました。遠く日本にまで津波が押し寄せる。もうお手上げです。 

気を取り直して食べ物のお話。以前にも書いたと思いますが、野菜の季節感にとまどうことが多くなりました。店頭には、もう菜の花や空豆が並び出しました。蕗は冬じゅう出ています。これでタケノコが並ぶと、春の食材勢ぞろいですが、さすがにタケノコはまだのようです。ゆっくりと待ちましょう。今はやはり豊かな冬野菜を楽しみたい。大根も瑞々しく、白菜も大振りで身がしまっています。キャベツも立派です。値段も安定しており、まさに鍋料理にはうれしい布陣がそろっています。日本の野菜・果物は美味しくて立派です。なのに?冷凍野菜の棚を覗いてみるとと、大部分は外国産で占められています。人気のお好み焼きもしかり。ほとんどが外国産野菜使用で、国産使用のものは、2倍近くの価格で売られている。枝豆も国産ものは高い。冷凍野菜は季節に左右されにくく安定供給が可能であるのは理解できますが、国産物が安い時に冷凍しておく、という知恵と方法は全く無視されている?豊かな実りのときの野菜をフル使用して、国産の冷凍ものを量産する努力はなされていない。これも食料自給率を下げる一因かもしれません。消費者の目も厳しくなっています。安いから、というだけで売れるわけでもありません。安心・安全を第一義に捉え、また自給率アップを目指し、国産もののフル利用への努力が求められます。商社や物産会社は目先の利潤しか追求していないと思いたくはありませんが、これからの世界はまさに食料確保競争へ突入するでしょう。国産ものでまかなう努力と農業推進が必要ではないでしょうか。

           食生活アドバイザー 間島万梨子

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