某月某日 “値打ちを見極めて・・”の巻き
飲食店の値打ちを維持するのは大変だと思うわ。うちは値打ちなどありませんってな店なら、それはそれで気楽だろうけど、実入りは期待できないよね。だって、値打ちが無いんでしょ?誰が好き好んでそんな店に行く?え?ただ謙虚なだけなの?もう、めんどくさいわね!ま、何年か続いている店は、なにがしかの魅力というか、値打ちを認める客がいるから続いているのであって、問題は、店側自身が、自店の値打ちはどこにあるのか、あまり分かっていないケース。客のニーズとかみあわないってケースね。また殆ど、何の値打ちも無いのに続いている店も結構あって、ひとえに立地に助けられてる場合が多い。あるのよ、こんな店が。リピート客が全く無くても維持できる店。乗降者数一日数万人が行き来するロータリー内とか、主要駅近辺などに見受けられます。ほんと、よくもまあ、こんな商売やってますねえ、と感心する店って、実際にあるのよね。神さま仏さま、立地さま、って拝まなくてはいけませんわよ。
立地、のことはさておいて、値打ちのこと。一番残念なのは、値打ちを台無しにしている場合があるのよね。とても凝った美味しい料理を出しているのに接客が杜撰で未熟とか、心地よい接客で居心地抜群だけど料理が今一つとか、サービスも料理もまずまずなのにトイレが使いにくいとか。そう、邪魔をしてはいけません。自店の値打ちはどれかを見定めたなら、全力でその値打ちをフォローして、実際より高めていく努力が必要なのです。高級路線で売るなら、雰囲気と接客もレベルに合わさないと、客は困惑してしまいます。コストパフォーマンスが売りなら、テクニックで客の回転を早める努力をしないと、儲かりません。そこそこの値段と料理内容に自信があるなら、ある程度丁寧でフレンドリーな接客が必要です。ぶっきらぼうな接客で台無しにしている店に入ったこともありますわ。逆に、見事なチームだなと感心しきりの店もあって、そんな店は、常に繁盛しているか、より好立地の場所に出世しているか、ってことが多いです。主役の料理をいかにうまくサポートできているか、がとても大切。
でも不思議に思うのだけれど、飲食店で美味しい料理だったからもう一度行ってみたいな、ていう店はあるのに、旅館ではそういう意味でもう一度行きたい、というところがあまり無いのよね。トータルな印象で、また行きたいなと思う旅館は勿論あるけれど、あそこのあの料理が食べたいという記憶が少ないわ。結局、旅館は会席料理にならざるを得ないという、自縛があるのではないかしら。1品1品は、凝って美味しいのに、会席料理の形が全体をつまらなくしているのだと思う。もっともっと、冒険をしてほしいわ。街場の飲食店の魅力を旅館にもってくるのも、面白いのに。何だか、今日は主題が何か、分からなくなってしまいましたわ。ゴメンなされ。
219年6月16日・・続く