顧客満足の複雑さ 107 「画期的な商品開発と発想力」

顧客満足の複雑さ 107「画期的な商品開発と発想力」飲食担当 間島 

技術や文明がある程度成熟した先進国家においては、各企業はさらなる高付加価値の製品開発に余念が無い。日々、開発に明け暮れているといっても、いいかもしれない。この時代、人をあっと言わせる商品を開発できれば、それこそあっという間に世界市場を席巻できる。薬品業界、自動車業界、IT関連業界などは特に魅力的な新商品が企業の発展を約束するので、多くの力と金を注ぎ込んでいるはずだ。消費者の販売意欲を刺激する新商品が出れば、景気も上向く。 

現実に、画期的なものの萌芽はある。人類の今後を左右するであろうiPS細胞における最新再生医療をピンとすれば、様々な分野での小ヒット商品は出てきている。低価格の電気自動車やより便利な携帯電話、アイロボットに象徴される家電業界の進化etc、これでもかと思えるほどに、企業の開発努力は続く。新商品が出ると、企業側の発想力と実現力に感心することが多いが、やっと出てきたか、と思うこともある。それは多分、背景に消費者のニーズをすくい取る姿勢があったのに違いない。 

飲食店や宿泊業界、それに交通関連業界は、身近な例として生活に密着している。フェリーやバスの高級化はまさに消費者のニーズが生んだ世情だと思うが、ここにきて驚いたのは、アメリカのロスアンゼルスからサンフランシスコへの長距離バスに、約20の二段式完全寝台型が登場したことだ。寝具や環境に快適な寝心地を約束している。夜11時に出発して明朝の7時に着く。約1万3000円だから、1万円を切る飛行機と比べても結構な価格になるが、夜間睡眠時の有効利用と乗降車の簡便さが受けて、人気と話題を集めているらしい。飛行時間が1時間30分でも、前後の煩雑な飛行諸手続きを嫌う人のニーズに合った新商品だと言える。さて、飛行機の二段式完全寝台型は、不可能という3字で無視されるのだろうか。 

世の中には、今まで考えられないようなサービスや新商品がまだまだ待機していると思うと、楽しくなる。想像を超える商品もあれば、消費者のニーズをうまくすくい取ったものもあるだろう。固定観念を超えた自由な発想が必要だ。かつて日本が先導した家電やIT関連が、アメリカなどの後塵を拝しているのはとても残念でならない。日本初の画期的な新商品が出てきて、世界が追随する日が来るのを夢見ている。

             

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